イレウス(腸閉塞)の状態でよく使用されるイレウス管。目的や注意点について学んでいきましょう。
イレウスの目的
イレウス管の挿入には「腸管内の減圧」が目的とされる。他にも、嘔吐などの症状緩和、穿孔の予防も目的とされている。
イレウス管の種類
○経鼻的
透視化で鼻から小腸に挿入。240~320cmほど挿入し、先端のバルーンを膨らませて固定する。小腸から上行結腸の閉塞を対象にすることが多い。
○経肛門的
肛門から挿入し、直腸~上行結腸の閉塞を対象とする。
症状観察ポイント
腹痛、腹部膨満感、悪心・嘔吐の改善はあるかを確認する。また、腸蠕動音の聴診や排ガスの有無も一緒に観察していく。排液の量(正常は500~1,000ml/日程度)が多ければ脱水を疑い、急激に少なければチューブのトラブルを考える。血性であれば穿孔しているおそれもあり、報告が必要。
挿入中の留意点
・管は基本的に頬や鼻にテープで固定する(更に衣服にもテープで固定すると抜けにくい)。蠕動によって管を進めるために固定を頬のみにしてゆとりを持たせる場合もある。テープや管による発赤などの皮膚トラブルに注意が必要。
・絶飲食管理になることが多いが、感染予防のためにも口腔ケアは必須となる。
・マーキングやテープで挿入されている管の長さを観察、屈曲や抜去、破損がないかを確認。
・管の挿入中は不快感が大きい。早く不要になるためにも安静度内で離床や運動を促していく。
今回もお疲れ様でした。
消化器系の記事が続きましたが、リクエストなどあれば意見いただきたいです。